英国の国際調査機関Wood Mackenzieが、2019年における太陽光発電用パワコンの世界シェアに関する調査結果を公表。グローバル出荷量のトップはファーウェイで、5年連続でトップシェアの座を堅持している。
英国の調査機関Wood Mackenzieは2020年4月、太陽光発電用パワーコンディショナー(パワコン)における2019年の世界シェアを発表した※。トップとなったのはシェア22%を記録したファーウェイで、2015年から5年間グローバル出荷量1位の座を堅持する結果となった。
※Global solar PV and module level power electronics inverter market 2020
出荷量100GW突破、日本市場でもトップシェア
2019年は、上記トップ3社の合計だけで世界シェアの43%を占めた。とくに5年連続トップのファーウェイは抜きんでており、世界全体の出荷量の4分の1に迫る。同社の出荷量は2019年だけで28GW強。これまでの累計では、世界のパワコンメーカーで唯一、100GWを超えた。
また、同社のパワコンは分散型において特に存在感を放っており、分散型パワコン市場に限っては42%のシェアを誇る。このシェアは、第2位から第8位メーカーのシェア合計を単独で上回るものだ。
日本市場においても、ファーウェイが強い。シェア19%を占め、日本企業各社を抑えてトップに位置している。日本のパワコン市場は、グローバルマーケットとは異なり、国内企業への信頼が厚い。シェア第2位以下は、オムロン(17%)、パナソニック(11%)、SMA(11パーセント)、TMEIC(10%)、田淵(8%)と続く。
日本以外の地域においても、ファーウェイは大きな地位を築いている。アジア太平洋地域では、第1位ファーウェイ26%、第2位サングロウ17%、第3位Sinen10%。中国では、第1位ファーウェイ34%、第2位サングロウ21%、第3位Sinen11%。インドでは、第1位ファーウェイ20%、第2位TMEIC17%、第3位サングロウ15%。ヨーロッパでは、第1位ファーウェイ31%、第2位SMA16%、第3位Power Electronics10%。ラテンアメリカでは、第1位ファーウェイ19%、第2位Ingeteam11%、第3位Fimer10%。中東およびアフリカでは、第1位ファーウェイ21%、第2位Fimer18%、第3位Ingeteam11%だった(データは全て「Global solar PV and module level power electronics inverter market 2020」より)。
世界全体のパワコン出荷量は、前年比18%の増加だった。ただし、各地域で一様に増加したわけではなく、マイナスに転じた地域も少なくない。出荷量が前年比ブラスだったのは、ヨーロッパとアメリカとラテンアメリカだけだ。
とくにヨーロッパとアメリカの伸びは大きく、それぞれ前年比84%、72%の成長率だった。一方で、近年太陽光発電の成長を牽引してきた中国の落ち込みは大きく、前年比マイナス10%の出荷量にとどまった。こうした状況の中、成長地域においても、その他の地域においても、5年連続世界トップシェアの座を維持するファーウェイは成長を維持している。
太陽光分野での躍進が続くファーウェイ
ファーウェイは太陽光発電用パワコンの分野では、引き続きグローバルな成長を牽引する存在となっている。シェアを落とすメーカーもある中で、5年連続で第1位をキープしているという状況だ。
同社によると「パワーコンディショナーは発電所にとって人間の“頭脳”に相当する存在になる」という。発電所のスマート化・効率化の要として、これからのパワコンは事業者および各国の制度に基づく仕様など、多様な要求に応えていかなければならない。
「マルチ回路MPPT技術を採用し、発電量を効率的にUPさせることができる」「ストリング毎に精密な監視が可能で、IV曲線のスキャン機能に対応し、リアルタイムかつオンラインのストリング全数検査ができる」「ファンレス・ヒューズレスの設計により、壊れやすい部品は使われていない」「システム構成が簡単で、直流集電箱及びパワコンハウスの設置が不要」など、ファーウェイ製パワコンが評価されるポイントは多岐にわたるという。
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